ヨキの柄

あれこれ徒然に

谷が好き

私は早朝から張り切って釣りに出かけることがない。朝の静けさは好きだけれど、だったら先ずは自分が静かにしていることが必要だ。というのは理想で、仕事が入ることもある。今日も午前中にひと仕事終えてから、川に入った。

 

ひと仕事とは、市内の某キャンプ場兼登山観光案内所に新しく出来た登山観光ガイド施設に商品を納入したというもの。前日にそちらから突然電話があり、商品を置きたいとのことだった。早速翌日にお邪魔した。1時間半ほど、そちらの担当者と事務局長と話をして、そのままの足で川へと向かった。

 

県境のトンネルを抜け、愛知川支流茶屋川に着いて持参したおにぎりで腹ごしらえし、装備を纏って、谷に入った。なんとなくイワナを釣りたかったし、狭い谷で独り静かに釣りをしたかった。まぁ、いつもそうなのだが。

 

 

梅雨空の下、谷は湿っていて好い感じ。この水系はどの支流も谷も人が多く入るので、数匹釣れれば御の字。谷も下の方は数も少なくサイズも小さいので、奥で最後に大きいのが釣れて帰るというのが理想的な形。この日もそうなった。

 

初めて入った谷で小さいのやらまあまあのやらと遊んで、奥に進むと落差のある滝があった。そこを高巻いてさらに奥へは行く気がしないというくらい高さのある滝。その下で大きなイワナが釣れた。竿はバットからしなり、イワナ独特の引きを楽しんだ。

 

 

今の私は谷が好きだ。登山で山頂を目指すよりも、谷で独り過ごすのが好きだ。谷は暗いけれど、谷の奥に辿り着くと次第に空が開けてくる。つまり、山の高さがそこより上に無くなってくるから、空が開けてくる。谷はおもしろい。