ヨキの柄

あれこれ徒然に

シーズンスタート

柿の木の剪定シーズンをスタートしました。

 


剪定鋏と皮剥き器と細目鋸と荒目鋸を腰に提げ、大小の三脚を使い分けます。

 

剪定鋏はARSアルスコーポレーションのGC-130を使っています。小さめでバネの弱いものが好いです。1日握って疲れません。グリップは程よく滑りにくく快適です。

 

皮剥き器は樹皮を削るように剥いて、中に潜む寄生虫(ヒメコスカシバ)を退治します。ヒメコスカシバは枝の付け根に寄生していることが多く、喰い荒らしボロボロにしてしまいます。黒く変色しボロボロと盛り上がっているところは要注意です。糞尿で汚染されます。

皮剥き器はカンナのようなもの。先端は刃が付いています。横に動かすとスパッと切れます。縦に引いて樹皮の粗皮を剥きます。木の柄が滑るので野球のバット用グリップを巻いています。

 

細目鋸は細い枝を伐ります。SAMURAI神沢精工の竹挽き用を使っています。目が細かく、切り込みやすく、切り口もきれいです。細身なので狭いところでも入れ込みやすく、その割りに長さは十分にあり、とても使いやすいです。炭焼き用の竹を切り出すときもすべてこれを使っています。竹の滑りやすい表面でもスッと切り込むので重宝しています。刃だけ交換できる点も好いです。

 

荒目鋸は太い枝を伐ります。こちらもSAMURAI神沢精工のものです。曲線の鋸は根本から先端まで力が加わりやすく、省力できます。里山の整備活動でも使っています。太い枝から直径20cm程度の木であればこれで十分に切り倒すことが出来ます。

 

三脚は柿畑の中での取り回しを考えて、大小あると便利です。私は8段と4段を使っています。アルミで軽いので軽トラの積み下ろしも作業中の移動も楽です。8段以上の三脚が必要なほど柿の木を高くしないように剪定すれば、それが樹高の基準ともなり作業の安全を確保することにもつながります。柿は平らなところばかりに植わっているわけであはないので、4つ脚の脚立ではなく、3つ脚の三脚がこのましいです。4つ脚では必ず何処かの脚が浮いて不安定になりますが、三脚なら必ずすべての脚が着地するので安定します。ただし、のぼった上で体重を大幅にズラすと倒れやすいので要注意です。私は8段を使う際には必ず枝や幹に掛けるようにして使っています。

 

刃物には油を塗って樹脂の付着や錆を防ぎます。機械油でも何でもいいですが私は椿油を使っています。時間がたってもベトつかず固着しません。刃面に付けて指で伸ばした後には寒風でカサつく手肌に塗ることもできます。少々値段はしますが、大切な道具を守るためですし、作業をスムーズに行うためにも必要です。

 

グローブはチェンソー用のお古を使っています。かなりやわらかくなっているので手先を使いやすいし、刃物から手指をしっかり守ってくれます。防寒にも役立つので重宝します。

 


三脚を上り下りし、右手に剪定鋏、左手に鋸を持って作業していると足腰肩首がエライことになりますので、1日に4〜5時間が限界です。午前中に2時間、午睡を挟んで、午後に2~3時間という感じです。

 

地面から、三脚の上から、遠近で枝ぶりや芽の具合いを観るため、目も疲れます。春から秋の渓流釣りで使う偏光サングラスは柿の剪定でも活躍する必須アイテムです。ただ黒いだけのサングラスは瞳孔を開かせるだけで余計に光を受けやすくなるので、必ず偏光サングラスでなければいけません。釣りやスポーツ用のものは軽くてかけ心地も良くて長時間使えますね。ズレたりもしないので野良仕事や山仕事にも最適です。

 

 

剪定は、急いだり、頑張ったりしてはいけません。怪我をしたり、無駄に伐ってしまったりしては意味がありません。先ずはしばらく木の全体を眺めて大まかな方針を考え、不要と判断した太い枝から伐り、枝や芽の具合いを色々な方向から観て不要な枝、残す枝を選定し、樹形を整えて見た目を良くしながら、数年先の枝ぶりまで想像して剪定が出来ると素晴らしい仕事となります。数年先までを見るのはなかなか出来ることではありませんが、そういうゆったりとした心持ちで取り組むことが大事です。

 

今シーズンは、12〜2月の間におよそ60〜70本の柿の木を剪定する予定です。
炭焼きと剪定で山里の冬を過ごします。